「自分でできた」が未来を変える。グループホーム入所を見据えた一歩一歩
言葉は少なくても、台所に立つ彼はどこか誇らしげです。
かつてはジャガイモを前に戸惑っていた彼が、今では自らピーラーを手に取ります。
サービスを開始して1年数ヶ月。私たちは30代の男性利用者様と一緒に、週に一度の調理援助を行っています。
5人のご兄弟で暮らされている彼。知的障害があり、思いを言葉にするのは少し苦手かもしれません。
それでも「家族の役に立ちたい」という真っ直ぐな想いが、5人分の食事作りという大きな挑戦を支えています。
「家事代行」ではなく「自立支援」
今日のメニューは「コロッケ」です。
5人分をヘルパーが代行すれば時間はかかりませんが、私たちの役割は生活の中でできることを増やす「自立支援」です。
その日の気分を見極め、「彼にしかできない役割」を必ず一つは見つけるようにしています。
コロッケの形作りは彼にお任せしました。
一生懸命に丸めたものは少し不格好だったりもしますが、あえてそのまま。
食卓で「これは僕が作ったんだよ!」と胸を張る彼と、それを囲むご兄弟の笑顔を想像すると、自然と頬がほころびます。
自分の意思で、また台所へ
もちろん、集中力が途切れてしまうこともあります。
そんなサインが見えたときは「一度休みましょうか」と声をかけ、無理強いはしません。
それでも少し休憩すると、彼はまた自分の意思で、そっと台所に戻ってきてくれます。
将来、グループホームへの入所を希望されている彼にとって、この積み重ねは自立に向けた大切な一歩です。
「自分でできた」という喜びが、新しい明日へと繋がっていく。その一歩一歩を、これからも大切に共に歩んでいきたいと思います。
隅々まで丁寧に。この「やり遂げる力」が自立への大きな一歩です。