サービスにおける「環境整備」の重要性とは?
サービスを提供する上で、私たちはご利用者様が快適で安全に過ごせるよう、さまざまな側面からサポートを行っています。
その中でも特に重要となるのが「環境整備」です。
環境整備と聞くと、単に掃除や片付けをイメージされるかもしれませんが、実は換気や室温・日当たりの調整など、ご利用者様の心身の健康に深く関わる大切なケアを指します。今回は、この環境整備について詳しくご紹介します。
快適な暮らしを支える環境整備のポイント
1. 換気でリフレッシュと健康維持を
換気は、お部屋の空気を入れ替えることで、目に見えない多くの恩恵をもたらします。
例えば、お掃除の前や排泄介助の後などに窓を開けて空気を入れ替えることで、ハウスダストやウイルス、悪臭などを除去し、お部屋の湿度を適切に保ちます。これにより、感染症の予防やアレルギー症状の軽減にもつながります。
また、新鮮な空気を取り入れることは、ご利用者様の気分転換にも非常に効果的です。特に外出の機会が少ない方にとって、換気は外の空気を感じ、季節の移ろいを肌で感じられる貴重な機会となります。心身のリフレッシュにもつながる大切なケアです。
2. 適切な室温調整で安全を確保
高齢者の方々にとって、室温の調整は非常に重要です。加齢とともに体内の水分量が減少し、温度の変化を感じにくくなる傾向があります。
「夏場にエアコンを使わず厚着で過ごし、熱中症になる」といったケースは決して珍しくありません。ヘルパーは、ご利用者様が快適かつ安全に過ごせるよう、適切な温度管理に気を配る必要があります。
一般的に、室温は25℃~28℃が適切とされており、外気との温度差は7℃以内が良いとされています。
また、冬場には注意が必要です。居室とその他の部屋(洗面所、浴室、脱衣所、トイレなど)との温度差が大きいと、「ヒートショック」の危険が高まります。温度差のある部屋へ移動する際には、事前に暖房器具で温めておくなど、温度差をできるだけ少なくするよう配慮しています。
3. 日当たりの調整で質の良い睡眠を
高齢者の方々は、睡眠のリズムが崩れがちなことがあります。適切な量の日の光を浴びることは、睡眠の質やリズムを整えるのに役立ちます。
日中の光を浴びることで体内時計がリセットされ、昼夜の区別がはっきりし、夜間の質の良い睡眠を促進する助けになります。特に昼夜が逆転してしまっているご利用者様には、日中の活動量だけでなく、日当たりの加減にも気を配りながらサービスを提供しています
環境整備における大切な2つの注意点
環境整備を行う上で、私たちが常に心に留めている重要な点が2つあります。
1. 「声かけ」を忘れずに、同意を得てから行います
私たちはご利用者様のご自宅にお邪魔させていただく立場であるということを、決して忘れてはいけません。窓を開けて換気を行う際や、物品に触れる際には、必ずご利用者様へお声かけをし、同意を得てから行うように徹底しています。
声かけを怠って勝手に行動してしまうと、ご利用者様からのご不満につながることもありますので、細心の注意を払っています。
2. 「自立支援」の視点を取り入れる
環境整備は、身体介護や生活援助に付随して行うサービスですが、私たちはこの事前準備の段階から「自立支援」の視点を取り入れることを重視しています。
自立支援とは、ご利用者様ご自身ができることを減らさず、可能であれば増やしていけるよう支援することです。ヘルパーは、ご利用者様の現在の能力をしっかりと見極め、どのように支援すればできることを増やしていけるのかを常に考え、実践しています。
例えば、ベッド周りの整頓であれば、たとえ自立歩行が難しい方であっても「手の届く範囲をご利用者様と一緒に片付ける」といった共同作業を取り入れています。また、室温調整の一環として、エアコンのリモコン操作が分からない方には「ヘルパーが操作方法をレクチャーし、ご利用者様ご自身で使えるよう支援していく」といった取り組みも行っています。
まとめ
環境整備は、ご利用者様が安全で快適な毎日を送るために欠かせないケアです。
私たちは、ご利用者様への配慮を忘れず、常に自立支援の視点を取り入れながら、質の高いサービス提供に努めてまいります。