スタッフブログ  - 社長 越澤のブログ

Koshizawa blog

社長 越澤のブログ

小笠原流煎茶の礼法


お客様の声がきっかけでした

ある日、お客様から、スタッフのふとした言動についてご指摘をいただきました。 実はそれが初めてではなく、これまでにも同様のご意見を何度かいただいていたのです。 いずれも本人に悪気はなく、気づかないまま相手に不快な印象を与えてしまっていた――。 言葉づかいや所作のひとつひとつが、想像以上に相手に影響を与えていることをあらためて実感しました。 こうした第三者の目を通した声は、私たちにとって貴重な学びの機会でもあります。 「マナー研修」のような堅苦しいものではなく、自分自身を振り返りながら、自然と身につけられる学びの場をつくれないだろうか。 そんな思いから、小笠原流煎茶の礼法を取り入れたお稽古を、1年前からスタッフとともに始めました。

礼法を通して、丁寧な時間をともに

お茶やお菓子のいただき方、室内の出入りの作法、お箸の持ち方、訪問時の立ち居振る舞い…。
日常の中にあるささやかな所作を、一つひとつ丁寧に学びながら、静かな時間を積み重ねています。
私自身、決して礼法を完璧にできているわけではありません。
だからこそ、スタッフとともに学びたい——その思いを胸に、この時間を大切にしています。



所作は、心を映すもの

私はよく、「怒りながら、優しくものを扱うことはできないでしょう?」
という例えを使います。
小笠原流礼法の基本は、「相手を思いやる心を形にあらわす」ことにあります。
この姿勢は、私たちが日々向き合っている介護の現場にも深く通じています。

「所作は心を映す」

たとえば、歩くときの姿勢、扉を開ける手、介助を必要とする方にそっと添える手——
その一つひとつに、相手を思いやる気持ちは自然とにじみ出ます。
それはきっと、自分自身を見つめ直す小さな習慣の積み重ねの中で、少しずつ育まれていくものなのでしょう。



変化は、静かに始まっている

始めてみて、何より嬉しかったのは、スタッフたちが楽しそうにお稽古に取り組んでくれていることです。
少しずつではありますが、言動や佇まいに落ち着きが生まれ、静かな変化を感じています。
日々の積み重ねが、私たち自身を少しずつ変えていく。
お稽古を通して得られる気づきと学びを大切に、これからも丁寧な歩みを続けていきたいと思います。